更新日:2025年11月19日

近畿7府県の人口動態推移と中小企業経営を考える
~ 滋賀県編 ~

目次

  • ● 2020年の滋賀県6区分における人口および生産年齢人口の事実確認
  • ● 2035年における滋賀県6区分における人口推移
  • ● 2035年における滋賀県6区分における生産年齢人口推移
  • ● 滋賀県における人口および生産年齢人口減少に関するまとめ

 中小企業の皆様、こんにちは。

 ずいぶん間が空きましたが近畿7府県の人口動態について、今回は滋賀県編となります。

 使用したデータは、国立社会保障・人口問題研究所が公表する「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」を参照しております。

 滋賀県は19市町の行政があるようであり、行政区分の分け方として、「近江南部、東近江、湖東、湖北、甲賀、高島市」の6区分に19市町を振り分けております。

 滋賀県は、これまでの近畿5府県と異なり、2035年の人口が2020年対比で95.2%と日本全体の▲8.2%を下回り、2035年の生産人口も91.9%と同▲10.4%を下回ります。特に、京都府に近い近江南部エリアの栗東市、守山市、草津市の人口および生産年齢人口は2020年を上回ると推計されております。

2020年の滋賀県6区分における人口および生産年齢人口の事実確認

滋賀県人口

 2020年における6区分の人口および生産年齢人口を確認します。

 2020年の滋賀県の人口規模は、近江南部:69.1万人、東近江:22.6万人、湖東:15.5万人、湖北:15.0万人、甲賀:14.2万人、高島市:4.6万人の計141.3万人となっております。京都府に近い近江南部の比率が48.9%となっておりますが、東海道沿線に位置する東近江の近江八幡市、湖東の彦根市も人口規模が比較的大きく、琵琶湖の南部で横長で人口が分布しているイメージです。人口10万人以上の都市は、大津市、東近江市、彦根市、長浜市の4市となっております。

 次に、生産年齢人口について見てみます。

 2020年の生産年齢人口は、近江南部:42.4万人、東近江:13.3万人、湖東:9.3万人、湖北:8.7万人、甲賀:8.5万人、高島市:2.4万人の計84.9万人となっております。

2035年における滋賀県6区分における人口推移

滋賀人口2020 滋賀人口2035

 2035年における人口を見ると、近江南部が69.6万人(2020年69.1万人、100.8%)、東近江:20.7万人(同22.6万人、91.6%)、湖東:14.5万人(同15.5万人、93.5%)、湖北:13.0万人(同15.0万人、86.7%)、甲賀:12.8万人(同14.2万人、89.9%)、高島市:3.7万人(同4.6万人、80.5%)となり、近江北部は2020年よりも人口増加、湖東・東近江でも人口低下率が低くなっております。

 人口増加の近江南部については、守山市・草津市・栗東市が2020年対比で100%以上となっているほか、大津市・野洲市においても人口減少率は低いです。2035年の大津市の人口は34.1万人と2020年の34.5万人から若干減少しておりますが、従前の市町村合併により市の範囲が大きくなっており、東海道沿線エリアの大津市に絞るとおそらく人口は増加しているのではないかと推察されます。

 近江南部以外の市町についても、近江八幡市、愛荘町、彦根市、湖南市の人口減少率は低くなっております。

2035年における滋賀県6区分における生産年齢人口推移

奈良生産2020 奈良生産2035

 2035年における生産年齢人口を見ると、近江南部が41.2万人(2020年対比97.1%)、東近江:11.9万人(同89.4%)、湖東:8.5万人(同90.6%)、湖北:7.2万人(同83.4%)、甲賀:7.3万人(同85.7%)、高島市:1.8万人(同74.0%)となります。

 近江南部の栗東市・守山市・草津市の生産年齢人口は人口推移と同様に100%以上となっております。また、野洲市や近江八幡市などの人口減少率が低いエリアの生産年齢人口の減少率が人口減少率とほぼ同様の都市があり、これらの都市では2035年にかけて65歳以上となり生産年齢人口から外れる人数と新たに15歳以上となり生産年齢人口に流入する人数が近似していることを意味します。愛荘町の生産年齢人口は2035年で98.1%であり、人口の98.0%を上回っております。

滋賀県における人口および生産年齢人口減少に関するまとめ

 本コラムの目的は、滋賀県の人手不足の状況を市町にまで落とし込んだ具体的な数値から把握することにありました。

 滋賀県の特徴として、近江南部では2035年にかけて人口増加が予測されており、これまでの近畿5府県と比べて明らかに人口による市場縮小スピードは緩やかであることです。人手不足の状況についても、2035年までの観点からすると、東海道沿線エリアの都市では人手不足が深刻化するスピードは遅いと考えられます。

 ただ、生産年齢人口/人口で見た場合、愛荘町を除く18市町の当該比率は低下しております。すなわち、少子高齢化を回避できている都市は殆どないため、業種によっては年齢別人口推移を考慮した事業戦略の視点を取り入れる必要があると思われます。