近畿7府県の人口動態推移と中小企業経営を考える
~ 大阪府編 ~
目次
- ● 2020年の大阪府5区分における人口および生産年齢人口の事実確認
- ● 2035年における大阪府5区分における人口推移
- ● 2035年における大阪府5区分における生産年齢人口推移
- ● 大阪府における人口および生産年齢人口減少に関するまとめ
中小企業の皆様、こんにちは。
近畿7府県の人口動態について、今回は大阪府編となります。
使用したデータは、国立社会保障・人口問題研究所が公表する「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」を参照しております。
大阪府は43市町の行政があるようであり、行政区分の分け方として、「北大阪、大阪市、東部大阪、南河内、泉州」の5区分に43市町を振り分けております。
結論から言えば、北大阪、大阪市の2035年の人口および生産年齢人口は2020年対比で95.0%前後の高水準であり、大阪市以北の人口は2035年まで安定して推移します。
2020年の大阪府5区分における人口および生産年齢人口の事実確認

2020年における5区分の人口および生産年齢人口を確認します。
2020年の大阪府の人口規模は、北大阪の人口が181万人、大阪市275万人、東部大阪196万人となっており、大阪府全体の人口883万人の73.9%となります。兵庫県、大阪府、京都府の京阪神を繋ぐ大動脈の地域の人口はやはり多くなっております。
その他のエリアでは、南河内:59万人(大阪府全体の6.7%)、泉州:171万人(同19.4%)となります。
次に、生産年齢人口について見てみます。
2020年の北大阪の生産年齢人口は109万人、大阪市175万人、東部大阪116万人となり、大阪府全体の536万人の74.8%となります。南河内33.9万人、泉州101万人となります。
2035年における大阪府5区分における人口推移


2035年における人口を見ると、北大阪が175万人(2020年181万人)、大阪市265万人(2020年275万人)、東部大阪174万人(同196万人)となり、大阪府全体の人口816万人(同883万人)の75.3%(同73.9%)となります。
その他のエリアでは、南河内:49.7万人(2020年59万人)、泉州:151万人(同171万人)となります。
傾向として、北大阪、大阪市、東部大阪のうち、北大阪および大阪市の人口減少率が低いため、同3地区の大阪府における人口比率が75.3%と2020年の73.9%から高まります。また、2020年では東部大阪の人口は191万人であり北大阪の181万人を上回っておりましたが、2035年では北大阪が175万人と東部大阪の174万人を上回ります。
2035年における大阪府5区分における生産年齢人口推移


2035年における生産年齢人口を見ると、北大阪が103万人(2020年109万人)、大阪市166万人(同175万人)、東部大阪98万人(同116万人)となり、大阪府全体の生産年齢人口480万人(同536万人)の76.6%(同74.8%)となります。
その他のエリアでは、南河内:26万人(2020年33.9万人)、泉州:86万人(同101万人)となります。
大阪府における人口および生産年齢人口減少に関するまとめ
本コラムの目的は、大阪府の人手不足の状況を市町にまで落とし込んだ具体的な数値から把握することにありました。
大阪府では、全体で見ると2035年の人口および生産年齢人口の減少率が2020年対比で見ると日本全国の平均並みでありましたが、地域別で見ると内訳が異なり、大阪以北の北大阪および大阪市では減少率が低く、他方、東部大阪、南河内、泉州の減少率は全国平均を下回る構造となっております。
すなわち、人手不足の影響という観点では、大阪以北以外の地域においてはその他近畿7府県と変わらず、危機感を持って業務効率化などの対応を積み重ねていく必要があると思います。
また、北大阪、大阪市についても、生産年齢/人口の比率が2020年から2035年に掛けて上昇している市町は1つもなく少子高齢化の流れは続くことから、年齢構造の変化による消費者行動の変化などへの対応に迫られることに変わりありません。